chapter 62~ chapter 62 “彼は彼、私は私” ~ その後、彼女と彼はよく連絡をとって遊んでいるようだった。 思ったとおり、寂しくなると彼女は彼を呼び、彼はそれに答えて車を走らせる。 既婚者の彼氏とも続いてはいる様だったけれど、「誰か!」と思った時に連絡が出来ない人と 家まで来てくれる人だったら、家まで来てくれる人の方が絶対有利だと思う。 彼女の気持ちは揺れているようだった。 男友達を支えにしてしまっているけれど、気持ちは既婚者の彼にある、 というのが彼女を苦しめていた。 彼を都合よく使ってしまっている自分を責め、それが私の友達である事で 私にまで罪悪感を持っているようだった。 「そんな気にしなくていいって。彼はちゃんと自分を大事に出来る人だよ。 今は彼の意思であんたの傍に居るんだから、そうしてくれてる間はあんたはそれに甘えていていい。 耐えられなくなったら彼は自分の意思であんたの傍を離れるだろうけど、 そんな事があったってそれはそれ。 私とは関係がない事だから私はあんたの友達をやめないよ。」 男友達には悪いけれど、私は彼よりも彼女が大事で、心配だった。 彼も苦しんではいるだろうと思うけれど、彼女の中でまだ答えは出てないと思う。 そんなにすぐ答えが出るもんじゃない。 彼には耐えれるだけは耐えてもらおう。 いずれそれが彼女の心に届く時が来ることを祈って。 ◆chapter 62について(日記) へ ◆次回 最終章~そして今~ |